ブラインド ドリーム NEWS
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研究室紹介
 映画を観る、音楽を聴く、食事を楽しむ、香りを嗅ぐ、触れる、など、五感の働きは生活を送るうえで重要な役割を担っています。外界からの情報の8~9割は視覚を通して得ると言われており、五感の中でも、日常生活における視覚への依存度は特に大きいと言われています。何らかの疾病や事故などで、一旦失明に至ると現状では視覚機能を回復させる治療法はありません。当研究室では、生物学的技術(遺伝子治療)あるいは工学技術(人工網膜)などを駆使して、「視覚機能を取り戻す」治療法の開発を目指しています。
 物を見るためには、角膜、水晶体を通過し映像が眼球の後方に位置する網膜に投影される必要があります。水晶体はレンズの役割を持ち、対象物との距離によって、水晶体の厚みを調節し、正確に網膜上に焦点を合わせる役目を担っています。また、角膜と水晶体の間には、虹彩と呼ばれる器官が存在し、虹彩の大きさを調節し、網膜へ入る光の量を調節しています。網膜上に投影された映像は網膜に存在する様々な神経細胞により情報処理が行われます。目はよくカメラに例えられ、カメラの絞りに相当する部分が虹彩、レンズが水晶体、そしてフィルムが網膜と言われます。しかしながら、網膜は単に映像を捉えるだけでなく、機能分化した様々な網膜の神経細胞で第1段階目の情報処理が行われるという点で、フィルムとは大きく異なります。
 網膜には、機能分化した様々な神経細胞が存在します。網膜に投影された映像は、網膜の後方に位置する視細胞で受容され、内顆粒層にある神経細胞に情報が送られ、最終的に神経節細胞で電気パルスに変換され脳に伝えられます。このような仕組みから、視細胞、内顆粒層に存在する神経細胞、神経節細胞など、いずれかの細胞が障害されると視機能に異常を来します。