ブラインド ドリーム NEWS
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視覚神経科学研究室は、網膜疾患の治療法開発、視覚認知機能の解明を目指しています。
遺伝子治療
オプトジェネティクス(光遺伝学)の視覚への応用

 緑藻類より単離されたチャネルロドプシン-2(ChR2)は、光受容に伴い細胞内に陽イオンを取り込む働きがあります。我々はこの特徴的な機能を利用した遺伝子治療による視覚再生法に取り組んでいます。
 Channelrhodopsins
チャネルロドプシン-2
 緑藻類の1種であるクラミドモナス(Chlamydomonas reinhardtii)は眼点と呼ばれる光受容器を持ち、光の当たる場所に鞭毛を動かして移動し、光合成を行い生活しています。2003年Negelらはこの光受容に重要な役割を担うタンパク質(チャネルロドプシン-2:ChR2)の機能を明らかにしました。ChR2は、発色団としてレチナールを持ち、光受容に際し陽イオンを細胞内に透過させる、光受容陽イオン選択的チャネルとして働くことが大きな特徴です。この特徴的な機能から、神経細胞にチャネルロドプシン-2を発現させることによって、光受容能を持つ神経細胞を作り出すことが可能になります。






遺伝盲ラットへの遺伝子導入
 視細胞が変性し失明したラットの網膜の神経節細胞に、アデノ随伴ウイルスベクターを利用してChR2遺伝子を導入し発現させることで、視機能を回復させることに成功しています。
 




人工網膜
三次元積層化人工網膜チップ

 人工網膜とは、眼内に刺激電極を埋め込み、残存する網膜神経細胞を電気刺激し擬似的な光覚を生み出す装置のことを言います。アメリカ、ドイツ、そして国内では大阪大学で臨床試験が行われ、物の動きや文字を読めるようになることが確認されています。当研究室では、東北大学医工学研究科田中研究室と共同して、三次元積層化技術を利用して製作した特徴的な人工網膜チップの機能評価を行っています。